10月3日、今年のノーベル医学生理学賞を、東京工業大学の大隈良典栄誉教授が受賞。これで、日本人のノーベル賞受賞者は25人目だそうである。生命の時代に入り、東洋人の、それも日本人の研究者によって生命が持つ新たな素晴らしい機能が発見されて、それが世界的に認められたことになる。
この「オートファジー」は、細胞が飢餓状態に置かれた時に、自らの細胞を分解、細胞を維持するためのタンパク質やアミノ酸と言った栄養素を再生し、再利用する「自食作用」と言われている。
細胞が、自分自身の一部を分解し栄養源としてリサイクルしたり、新陳代謝したりする仕組みを明らかにしたことであり、あらゆる生物に共通の根源的な生命現象の謎を解いた画期的な発見とも言われている。
今課題の地球環境の破壊や汚れの解決には、人間自らが修復、リサイクルを行わなければならないが、私たちの生命には、それを自然に行ってくれる「オート(自動)ファジー(分解)」と言う素晴らしいリサイクルシステムが存在していたということなのだ。
じつは、これまで私が長年研究、実践して来た「半断食」による心身改善法は、まさに、このオートファジーの効果を食事によって意識的に身体の中に起こすことで、異常となった細胞やバランスを失った生体の機能を回復、改善させ、全身の細胞をリセットさせることでもある。
そんな機能が確実に存在することを、これまで多くの参加者の生命の中に見ていて、自分なりの言葉で語り続けて来たが、それが今、こうして科学によって万人に説明がつくように解明されたのだからとても有り難いことである。
この発見は、今後、いのちの課題をあまりにも大きく人間の知識や技術にのみ偏りつつある医学界にとっても、改めて、病気を治すためには基本的に、人間が本来生命の中に持つ自然治癒力の機能や生命力を利用することが重要であり、必要不可欠であることを再認識させることへ繫がるに違いない。このノーベル賞が、その大きな後押しになることを心から期待したい。
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