2011年6月21日火曜日

いのちの源流に触れて

 今年で4回目となる伊勢神宮のお膝元での半断食セミナーが無事終わりました。

 例年に比べたらほぼ半分の参加者、主催する私たちが避難中の身であり、大きな震災が起きたこんな時期ですから、当然のことでもありました。

 伊勢でセミナーをやることは、伊勢神宮がお米を祀る神様であることを知った以前からずっと興味のあることでした。それが、4年前に知人の縁からたまたま実現したのです。

 伊勢神宮への参拝者は年々増えていると言います。今年はその人数がさらに多くなっていると聞きました。やはり、いろいろなことが起きると、人は神様に祈りたくなるのかも知れません。

 世界の多くの神殿が、遺跡として存在するのと異なり、伊勢神宮は、2000年間一日も途切れることなくその神話(儀式)を今に伝え続けている稀有な神殿であると言います。

 かつて、アインシュタインが神宮を訪れ、「こんな素晴らしい宗教を持つ日本人は、きっとこれからの世界をリードして行くに違いない」と言ったといいます。果たして、我々日本人に、本当にそんな力が残されているのでしょうか?

 伊勢神宮の素晴らしさは、自然の中で生かされている人間が、環境に手を入れてもいいとされるあり方が、究極までに簡素な形で表されています。それが伊勢神宮の美しさです。自然の中であるべき人間の姿が、見事に表現されているのです。

 だからこそ、2000年と言う気の遠くなるほどのトキを、あらゆる災いや国難を乗り越えて存在し続けて来られたのでしょう。あの凛とした神殿と場のあり様は、揺ぎ無いいのちの源流の確かさを感じさせてくれます。

 日本の歴史始って以来とも言える大震災が起こり、まるで津波のようにざわめいていた心が、食を整えて身体を浄化し、伊勢神宮のいのちの深みの世界に触れたことで驚くほどに落ち着きました。海や森の自然に触れた時の安らぎとも違うこの感覚は、人が自ら創り出す文化の力と言ったものなのかも知れません。

 次の時代を担う子どもたちに、若者たちに、私たちは一体、どんな社会を引き継きたいと思っているのだろうか?今こそ誰もが真剣に考え、そんな社会に向かって行動しなければならない時だと、改めて教えてもらった様に思います。

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