「抗生物質が効かない人間が増えている!」とメディアが伝えているが、これは、長年、あらゆる治療にこの薬を頼って来た現代医療とその当事者、薬に依存し続ける患者たちにとって、大変深刻で厄介な問題である。
これを解決するには、より強い薬を開発するしかないと考えるだろうが、しかし、原因が大量の薬物摂取による多剤耐性菌によるものだとすると、今後このような薬による治療が続けば続くほど、薬では解決出来ない病気がどんどん増えることにもなる。
こうした事態になった原因の多くは、現代人が薬を始めとする農薬や食品添加物等の化学物質を日々大量に摂り込んで来たことにある。本来、自然である命にとって受け入れ難いこうした薬物がどんどん体内に入って来ると、異物を排除するために働く免疫力や自然治癒力が必要以上に刺激されて、それらの機能を慢性的に亢進させてしまう結果、体内に、あらゆる化学物質に対する耐性菌が出来てしまうのだ。
元来、東洋医学や代替となる自然療法では、病気の症状はどれもが本来自然である身体が異物や状態に対して正常となるように働く結果出てくる一種の好転反応だと考える。従って病気の症状は心身の危険を知らせる有り難いシグナルなのだから、根本的な原因を探し出し、二度とそうした症状が出ないようにすることが治療の基本だと考える。
一方、現代医療の処方箋にはそうした視点が驚く程欠如している。原因がどうであれ、ひたすら症状を消すことが目的となっていて、自然な身体の有様を無視する結果、薬と治癒力との相反する機能がぶつかりあい、互いにエスカレートするいたちごっこになってしまっている。自然と人間とのいたちごっこだが、命を創造したのが人間ではなく大自然だと考えると、どう頑張ろうが人間の側に勝ち目が無いことは誰の眼にも明らかだ。
抗生物質の効かなくなった人間の身体は、現代医療に対する自然からの警告であると同時に、限界にまで来てしまった現代人の命に対して「危機を知らせる最後通告」でもあるかも知れない。
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