2014年2月23日日曜日

原発事故から見えたもの


宙八おすすめの<講演会のお知らせ>

—福島第一原発立地地域元町長が語るー
「原発事故から見えたもの」

 井戸川さんは、県外避難を決断した勇気ある町長として世間の注目を集めた時の人でした。そんな町長であったがために、町民、東電、政府の間に立って、想像を絶する体験をされました。
 今回の講演では、どうすればこれ以上被爆者を出さずに済むか?事故をどう収束させるべきか?この惨劇を二度と引き起こさないためには何が必要か?今、私たちに出来ること、等々、井戸川さんならではの原発事故の体験と意見をじっくりと伺いたいと思います。

<講師プロフィール>
井戸川克隆(いどがわ かつたか)
1946年福島県に生まれる。福島県立小高工業高等学校・機械科卒
1978年株式会社丸井設立代表取締役就任・2005年退社
2005年~2013年福島県双葉町長を務める。福島原発の重大事故を受け、福島県の首長の中でただ一人町民の県外避難を実現させた。201210月と20135月にはジュネーブの国連人権理事会総会に赴き、原発事故後の福島の窮状を訴えた。多くの県民が汚染地帯で留め置かれたまま被曝し続けている現状を憂い「被曝を止めるために一身を捧げる」とし、全国各地を周り講演等で訴え続けている。

2014年3月22日(土) 13時半~15時半
講師: 井戸川克隆氏(元福島県双葉町町長)
場所: 港区エコプラザ 3階会議室A

   (東京都港区浜松町1-13-1 浜松町駅から徒歩4分)
参加費: 会員500円 非会員1000円(学生500円)ご質問ご予約は「mail@npo2050.org」までお待ちしています。

2014年2月22日土曜日

ノアの方舟で生き残れるモノは

 「動物の精子と卵子(配偶子)を凍結保存する「冷凍動物園」計画が、3月にも横浜市内で本格始動することがわかった。神戸大学の研究者が細々と続けていた試みを、日本動物園水族館協会(JAZA)が拡充する。ゴリラやゾウなど、近い将来、動物園から姿を消しそうな種の国内繁殖を目指すだけでなく、野生での絶滅にも備える「配偶子版ノアの方舟(はこぶね)」でもある。」ー朝日新聞デジタルニュースよりー

 これを読んでとっさに思ったことは、「いよいよそんな時代に突入したか」だった。そして、これがどういう方法であれ、この地球にはかつてこういう動物達が沢山居たんだよ、と次代の人間に遺せるかも知れないということでは、良かったなという気持ちも湧いた。まさにこれこそは、現代版のノアの方舟が現実のものとなったニュースである。

 しかし、この未来の動物園は、残念ながら自然の中に生きた動物達を紹介する動物園にはならない。これは、人間の手によって命が与えられた動物を紹介する生きた博物館である。これを知って思い浮かんだのは、動物達の次は、いよいよ人間の「冷凍人間園」を造る番だなということである。

 聖書に書かれているノアの方舟の物語は、世界を覆う大洪水を前に、神が生き遺そうと考えた動物達を一組ずつツガイで遺して置こうというものだった。そして、その計画通りに、大洪水で壊滅した地球には、これら動物達の子孫が無事生き残り、これまでの多様な動物で溢れる素晴らしい世界へと成長した。

 この物語は、神が書いたと言われる神話だが、果たして、人間が計画するこのノアの方舟計画は、神の計画のようにうまく行くだろうか?

 この地球の大自然は、あらゆる生物、植物の重なり助け合ういのちがあって、私たち人類も生きられるように創られている。そのため、現在進行する種の絶滅の危機的状況がこのまま進めば(もう手遅れだという科学者も居るが・・・)間違いなくそのツケは、回り回って人類絶滅の危機となる。

 こうした動物を生き遺らせるための科学の努力には大いに拍手を送るが、それにも増して今大事なことは、地球に生存する動物達をこれ以上消滅させないために、一刻も早く我々人間の我がままな行為を止めることだ。

 そうしなければ、こうした冷凍保存の動物たちは生き残るかも知れないが、間違いなく人類は、自然破壊の張本人として、すでに地球を覆い始めた様々な大洪水によって、この地上から真っ先に淘汰されることになる。

 人類生き残りのカウントダウンが始まった事を、まず我々人間がしっかりと受け止めなければならない。そんなことを考えさせられたニュースだった。

2014年2月19日水曜日

哀しき回り道

都知事選の残念な選択で、我々日本人は、原発依存からの脱却の数少ないチャンスをまた逃してしまった。政権は、明らかに時代を逆行する更なる回り道を押し進め、国民の多くがそんな彼らの喧伝にすっかりと乗せられてしまった。

世界は、これまでの消費社会、経済優先の拡大産業のあり方に限界を感じ、旧来のエネルギー政策からの方向転換へと動き始めている。それは、有限である地球資源をもうこれ以上浪費、破壊せず、自然との共生によって、持続可能な<より質の高い成熟した国づくり>を押し進めようと言うものである。

未来を見据えた多くの国は、石炭や石油の埋蔵資源の枯渇や水資源の喪失、深刻な大気汚染、危機的な異常気象などによって、いよいよ人類存亡の危機が迫っていることを実感し、フクシマによって、原発による環境破壊が、こうした文明崩壊のとどめの一撃になることに気付いた。ごく当然の方向転換である。

しかし、日本の政府や官僚は、そんな世界の実情から学ぼうともせず、古き良き時代の復活を夢見て、自らの権益を守りたいがために、ただただ原発のエネルギー政策にしがみつき、再稼働を画策し、グローバル社会へと向かう世界の潮流に逆行する政策を次々と打ち出している。税金の無駄使いがまた始まった。

それどころか、国民を、戦前の軍国主義時代まで逆登らせる憲法改正や教育法の改正にまで手を伸ばし始めている。世界は明らかに前を向き歩み始めているのに、わが国の為政者と役人は、後ろを向いて全力で走りだしているのだ。世界の潮流に乗れない、乗ろうともしないこの国は、まだまだ辛く長い試練を経験しなければならなくなる。哀しき回り道である。

これを変えるには、問題に気付いた国民の一人一人が新しい生き方を実践するしかない。田舎に移住し、食糧やエネルギーを自給し、自然と調和した持続可能な生活を求める若者やシニアが増えていると聞く。一人からの変革こそが、最も確実にこの国を変える力になる。大いなる希望である。

2014年2月7日金曜日

都民の賢明なる選択に心から期待する

いよいよ都知選が迫った。この選挙は日本の未来を方向づける最も重要な選挙である。ぜひ、東京都民には、心して意義ある一票を投じてもらいたい。

争点は、経済、福祉、年金、介護、災害等といろいろだが、ここでもう一度、ぜひ原発問題を、自身の問題としてしっかりと考えていただきたい。

そう期待する第一の理由は、東京のこれまでの豊かさ便利さを支えて来たのは、紛れも無く福島の原発で作られた電気であり、それを誰よりも享受して来たのが東京都民であったからだ。

そして東京は、あらゆる面で日本の進路を左右する国の首都でもある。だからこそ都民はこの選挙に於いて、原発事故の徹底的究明とその解決策に対して、避けることの許されない立場にあると思うのである。

崩壊した福島の原発は未だに収束などまったくしていない。日々、世界の空を海を汚染し続けている。その当事者である東電と政府は、無策にも、また非道にも、その対応と復興にまったく真摯に向き合おうとしていない。

福島では多くの県民が、子どもが、若者が、年寄りが、病気の発症に怯え、汚染地帯に留め置かれたまま被曝され続けている。避難者は賠償も対策もないまま、家も仕事も故郷も奪われ、途方にくれている。

それなのに、この国の政府は、政治家は、そんな実情とまったく向き合う姿勢を見せていない。それどころか、政府も東電も企業も、更なるエゴと欲望を満たすべく、もっと経済を!もっと電気を!もっと原発を!と全国の原発を再稼働させる信じられない行動をとろうとしている。「狂っている!この国は一体どうなっているんだ!」が、被災者から見た正直な気持ちである。

「文明はエネルギーの質で決まる」と言われている。自然を破壊し収奪する石油や原発による文明がこれ以上続けば、間違いなくこの国も世界もやがて崩壊する。今、東京都民が勇気を持って原発から手を引く決断をし、日本人が自然エネルギーによる新しい国創りを始めれば、この国は世界に先駆けて、どこにもない国をきっと創ることが出来る。

その大きなチャンスが今回の都知事選なのだ。今、原発を止めることこそ、日本の様々な課題を根本から解決する最も積極的且つ有効な手段でもある。

震災直後に来日したダライラマは「外的な刺激である物質的な欲望は人間を幸福にはしない」「この悲劇を機に、日本人は、人間としてもう一つ上の成長、進化を遂げて欲しい」と言った。この選択は、それに応える確かな道でもある。

我々大人が今、目を見開いてしっかりと判断しなければならないのは、この素晴らしい地球を、日本を、どうしたら次代の子や孫たちにあるがままの姿で遺してやれるかだ。東京都民の賢明なる選択と決断を心から期待している。









 

2014年2月4日火曜日

朗読劇のお知らせ

 震災後、避難している京都で、久々に演劇家の古い友人と会う機会があった。
彼女は、東京を拠点に、オーガニックシアターと言う名前で、数々の社会派の演劇活動をやっている演出家。

 いろいろと話をしている内に、被災した私を元気づけようと、長年劇団でやっている井上ひさしの名作「父と暮せば」を親娘でやってみませんか?と提案してくれた。この作品は、原爆をテーマとした劇で、それをフクシマの実の親娘が演じたらとてもタイムリーでいいのでは、と言ってくれたのだった。

 たしかに青春時代は演劇をライフワークにと血道を上げていた時期があった。そんな虫がついうづいたのか、震災で、大好きだった演劇を諦めかけていた娘をちょっと元気づけてやりたいと言う思いもふと湧いて、年甲斐も無く「よし、やってみようか!」と言ってしまった。

 朗読劇とは言え、はるか昔にやっていたことである。自分ながら大丈夫かなという心配もないではなかったが、今更照れる歳でもなく、作品を読むと、今の私たちの心境そのままがそこに顕されていてとても共感が持てた。

 なんと、昨年に一度京都でやった試演が縁が縁を呼んで、2月9日は広島で、10日は岡山で、16日は東京で、3月は京都でも再演をやることになってしまった。

 東京では、20年ほどかかわってきたNPO「2050」の活動の一環として、広島と岡山では、縁のあった人たちが主催してくれることになった。しばし途絶えている友人、知人たちへの挨拶も兼ねてのことである。もし、お時間があったら、どこかに顔を出してくれたら嬉しい限りである。宙八

◯ 朗読劇「父と暮らせば」
      井上ひさし作 
      ナガノユキノ演出

 〜 私たちにとって、もっとも大切なことは・・・〜

   出演:橋本宙八、朋果、松本匠子(ピアノ)
 

2月9日<広島>
   ところ:「真宗学寮」西区南観音2−8−15
   電 話:082−231−2900
   時 間:開演13時30分
   参加費:自由懇志
   問い合わせ:岡本090−7503−4989
           主催:海と風と光の会

2月10日<岡山>
   ところ:「岡山禁酒会館」
       (090−1687−5071)
   岡山市丸の内1−1−15(市電「城下」下車すぐ)
   時 間:13時30分〜
   参加費:1200円、避難している人500円
   問い合わせ、予約:電話&ファクス
   主催:市場(いちば)
      086−277−7522


2月16日<東京>
   • ところ:東京都港区エコプラザ3階会議室A
   (港区浜松町1-13-1 浜松町駅から徒歩4分)
   • 時間:13時半〜15時半
   • 参加費:会 員、学生500円、
         非会員1000円
   • お問い合わせ 主催:NPO「2050」
      電話:03ー3443−0428
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