2014年2月22日土曜日

ノアの方舟で生き残れるモノは

 「動物の精子と卵子(配偶子)を凍結保存する「冷凍動物園」計画が、3月にも横浜市内で本格始動することがわかった。神戸大学の研究者が細々と続けていた試みを、日本動物園水族館協会(JAZA)が拡充する。ゴリラやゾウなど、近い将来、動物園から姿を消しそうな種の国内繁殖を目指すだけでなく、野生での絶滅にも備える「配偶子版ノアの方舟(はこぶね)」でもある。」ー朝日新聞デジタルニュースよりー

 これを読んでとっさに思ったことは、「いよいよそんな時代に突入したか」だった。そして、これがどういう方法であれ、この地球にはかつてこういう動物達が沢山居たんだよ、と次代の人間に遺せるかも知れないということでは、良かったなという気持ちも湧いた。まさにこれこそは、現代版のノアの方舟が現実のものとなったニュースである。

 しかし、この未来の動物園は、残念ながら自然の中に生きた動物達を紹介する動物園にはならない。これは、人間の手によって命が与えられた動物を紹介する生きた博物館である。これを知って思い浮かんだのは、動物達の次は、いよいよ人間の「冷凍人間園」を造る番だなということである。

 聖書に書かれているノアの方舟の物語は、世界を覆う大洪水を前に、神が生き遺そうと考えた動物達を一組ずつツガイで遺して置こうというものだった。そして、その計画通りに、大洪水で壊滅した地球には、これら動物達の子孫が無事生き残り、これまでの多様な動物で溢れる素晴らしい世界へと成長した。

 この物語は、神が書いたと言われる神話だが、果たして、人間が計画するこのノアの方舟計画は、神の計画のようにうまく行くだろうか?

 この地球の大自然は、あらゆる生物、植物の重なり助け合ういのちがあって、私たち人類も生きられるように創られている。そのため、現在進行する種の絶滅の危機的状況がこのまま進めば(もう手遅れだという科学者も居るが・・・)間違いなくそのツケは、回り回って人類絶滅の危機となる。

 こうした動物を生き遺らせるための科学の努力には大いに拍手を送るが、それにも増して今大事なことは、地球に生存する動物達をこれ以上消滅させないために、一刻も早く我々人間の我がままな行為を止めることだ。

 そうしなければ、こうした冷凍保存の動物たちは生き残るかも知れないが、間違いなく人類は、自然破壊の張本人として、すでに地球を覆い始めた様々な大洪水によって、この地上から真っ先に淘汰されることになる。

 人類生き残りのカウントダウンが始まった事を、まず我々人間がしっかりと受け止めなければならない。そんなことを考えさせられたニュースだった。

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