2014年2月7日金曜日

都民の賢明なる選択に心から期待する

いよいよ都知選が迫った。この選挙は日本の未来を方向づける最も重要な選挙である。ぜひ、東京都民には、心して意義ある一票を投じてもらいたい。

争点は、経済、福祉、年金、介護、災害等といろいろだが、ここでもう一度、ぜひ原発問題を、自身の問題としてしっかりと考えていただきたい。

そう期待する第一の理由は、東京のこれまでの豊かさ便利さを支えて来たのは、紛れも無く福島の原発で作られた電気であり、それを誰よりも享受して来たのが東京都民であったからだ。

そして東京は、あらゆる面で日本の進路を左右する国の首都でもある。だからこそ都民はこの選挙に於いて、原発事故の徹底的究明とその解決策に対して、避けることの許されない立場にあると思うのである。

崩壊した福島の原発は未だに収束などまったくしていない。日々、世界の空を海を汚染し続けている。その当事者である東電と政府は、無策にも、また非道にも、その対応と復興にまったく真摯に向き合おうとしていない。

福島では多くの県民が、子どもが、若者が、年寄りが、病気の発症に怯え、汚染地帯に留め置かれたまま被曝され続けている。避難者は賠償も対策もないまま、家も仕事も故郷も奪われ、途方にくれている。

それなのに、この国の政府は、政治家は、そんな実情とまったく向き合う姿勢を見せていない。それどころか、政府も東電も企業も、更なるエゴと欲望を満たすべく、もっと経済を!もっと電気を!もっと原発を!と全国の原発を再稼働させる信じられない行動をとろうとしている。「狂っている!この国は一体どうなっているんだ!」が、被災者から見た正直な気持ちである。

「文明はエネルギーの質で決まる」と言われている。自然を破壊し収奪する石油や原発による文明がこれ以上続けば、間違いなくこの国も世界もやがて崩壊する。今、東京都民が勇気を持って原発から手を引く決断をし、日本人が自然エネルギーによる新しい国創りを始めれば、この国は世界に先駆けて、どこにもない国をきっと創ることが出来る。

その大きなチャンスが今回の都知事選なのだ。今、原発を止めることこそ、日本の様々な課題を根本から解決する最も積極的且つ有効な手段でもある。

震災直後に来日したダライラマは「外的な刺激である物質的な欲望は人間を幸福にはしない」「この悲劇を機に、日本人は、人間としてもう一つ上の成長、進化を遂げて欲しい」と言った。この選択は、それに応える確かな道でもある。

我々大人が今、目を見開いてしっかりと判断しなければならないのは、この素晴らしい地球を、日本を、どうしたら次代の子や孫たちにあるがままの姿で遺してやれるかだ。東京都民の賢明なる選択と決断を心から期待している。









 

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